【Partner’s Interveiw】クラウドファンディングを通して、個人と大企業のちからをスタートアップに接続する

横断的なアクセラレータープログラムとして機能させるべく、さまざまな企業との連携を深めてきたTRIBUS。今年は新たにCAMPFIRE Startupsとの提携が決定し、採択チームに対するファイナンス面でのサポートを提供してもらうことになる。また、同社が扱う株式投資型クラウドファンディング、CAMPFIREが提供する購入型クラウドファンディングの活用も視野に入れる。その狙いは個人単位での購入や投資といったサポートの間口を広げることで「個人のちから」をスタートアップに接続させること。参加するスタートアップにとってはこのうえないサポートであり、社会全体にとっては、個人・大企業・スタートアップをつなぐという、類のない試みともなる。かつてソーシャルグッドな人材マッチングプラットフォーム『TOMOSHIBI』を立ち上げたことで知られ、現在は同社の取締役を務める田中駆氏に、TRIBUSとの連携についてお聞きした。


――田中さんが一貫してソーシャルグッドな活動の支援を続けているのはどんな理由からでしょうか。

学生時代にはアントレプレナーシップを専門に学んだことから、ソーシャルグッドな人たちを応援したいという思いで活動をしてきました。『TOMOSHIBI』もそのひとつです。学生時代にNPOを立ち上げた際に、人手不足に悩むNPOが多いことを知り、その一方で、何かやりたいけど何をしたいか分からないリソースを持った人がいる。その両者をつなごうと立ち上げたものでした。
そして、TOMOSHIBIで1000以上のプロジェクトの仲間と接する中で、起業してビジネスとして挑戦する人たちの本気度の高さを知ったことが、『CAMPFIRE Angels』を立ち上げるきっかけになりました。もっと本腰を入れてビジネスを立ち上げる人を応援しようと始めた株式型投資クラウドファンディングです。

株式投資型クラウドファンディングとは、一般的なクラウドファンディングとは違って、リターンが株式で、必然的に対象は株式会社限定となります。2020年8月に現在のサービスをローンチしてから、6件のプロジェクトが成立しており、投資額が1億円を突破しました。国内の株式投資型クラウドファンディングの投資家は4万人いると言われていますが、CAMPFIRE Angelsには5000人が登録しています。

株式投資型クラウドファンディングは単なる資金調達や投資とは違うものだと思っています。もちろん、株式会社として利益を出して、株主に還元していくことは大前提です。しかし、この前提の部分にのみ集中してしまったことが現代社会のネックになっているところで、本来はその事業によってどんな社会価値を提供するかが問われていたはず。株式投資型クラウドファンディングは『共感』をベースにすることで、その社会的な価値に賛同して投資できるようになっています。例えば、地域の課題を解決する事業を始める企業を応援しよう、課題の当事者が、自分では解決できないから応援しようという流れが美しい形だと思います。

――今回、TRIBUSのプログラムパートナーになった経緯、理由を教えて下さい。

TRIBUSが立ち上がったころから知ってはいて、しっかりとブランディングされているところが印象的でした。もともと僕らの株式投資型クラウドファンディングは、スタートアップのエコシステムの中で資金調達を機能させることを狙いとしています。そして、そのエコシステムには大企業の力も必要です。さまざまな企業の皆さんとの『パートナー制度』を始めたのもそのため。リコーのTRIBUSにはもっと早くからお声がけしたいと思っていて、たまたまご縁があってTRIBUS事務局の方にお声がけしたという流れです。
TRIBUSはブランドがしっかりしていることだけでなく、その募集領域の広さにも驚きました。アクセラレータープログラムといえば主催企業に関連する業種業界を対象にするケースが多く、リコーだったらやはりオフィス関連でBtoBのほうが、筋が通っている感じがします。しかし、TRIBUSではまったく絞っていない。そこに拡張していく可能性を感じており、とても楽しみに思っているところです。

また、社外のスタートアップだけでなく、社内からのエントリーも募集しているのが素敵だなと思います。僕も大手企業にいたことがあるので、大企業の内部で新規事業を始めるハードルの多さや手順の煩雑さなどはすごくよく分かります。株式投資型クラウドファンディングは株式会社を対象にするので、企業内新規事業や、中小企業の第二創業などを直接サポートすることはできませんが、今後接続していきたい領域だと思っていますので、こちらも楽しみです。

――TRIBUSに参加するスタートアップに、どのような価値を提供できるとお考えでしょうか。

まとめて言えば、TRIBUSに採択されたスタートアップに対する総合的なファイナンスサポート。細かく言えば、スタートアップの資金政策や事業計画など数字の部分での相談窓口としてお手伝いしたいと考えています。弊社には、キャピタリスト、すなわちファイナンスのプロがおりますので、フラットにご相談に応じます。

スタートアップが資金相談する先といえば、エンジェル投資家やVC(ベンチャーキャピタル)ということになりますが、どうしても、バリュエーション(企業価値評価)は低くして利益を高めたいという一定の力学が働いてしまいます。バイアスのないフラットな相談先は、僕も起業したときに切実にほしいと思ったものです。シリアルのスタートアップならCFOを入れるところですが、初めての起業だとなかなか難しい。その部分をサポートしたいと思います。
相談に応じるのは、大手証券会社出身のメンバーで、経験が豊富で資本政策の完成形を数多く知っている強みがあります。どうスケールアップさせるか、どういうエクイティのストーリーを描くか。バリュエーションの出し方や、後々まで足かせにならない資金調達の仕方を一緒に考えることができます。

また、これはお手伝いする条件ではないのですが、株式投資型クラウドファンディングのプロジェクトとして取り上げることもできるでしょうし、CAMPFIREのプラットフォームを活用して、購入型クラウドファンディングや、テストマーケを行うこともできるでしょう。社内からのエントリーチームに対しても同様で、株式投資型クラウドファンディング以外のプラットフォームをご提供することができます。

――TRIBUSと提携することで、どんな成果を期待していますか。

社会に新しい価値を提供するスタートアップというプレイヤーに、日本を代表する大企業のサポートが加わる。これがTRIBUSだと思っています。僕らは、ここに、クラウドファンディングという形で個人のサポートを集めたい。つまり、大企業と個人のちからで、スタートアップを支える座組みを作りたいと考えています。これは、日本の経済を活発化していくうえでも重要な視点だと思います。弊社としては、その最初の担い手になりたいという思いもあります。株式投資型クラウドファンディングもあるし、購入型のクラウドファンディングもできる。より多くの個人のサポートを集めることができるプラットフォームは、世界でも弊社だけではないかと自負しています。

スタートアップ、大企業、個人を接続する媒介はお金でいいと思うんです。小さなお金で購入したり、株式投資として株主になったりしてもいい。ただ、そこには共感があってほしい。そういう接続を数多く作っていきたいと思います。
今回のTRIBUSとの取り組みで、もし株式投資型クラウドファンディングのプロジェクトができるとしたら、投資家にとっても面白いものになると思いますよ。スタートアップ×大企業の掛け算ですから、期待も高まるのではないでしょうか。

――どんなスタートアップの方にエントリーしてほしいと思いますか。メッセージをお願いします。

社会に新しい価値を提供する、社会課題を解決するといったことはもちろんですが、リコーという大企業のリソースを活用して、事業を伸ばせるスタートアップ。極端な表現にはなりますが、リコーを使い倒してやろうという気概を持った方に来てもらうといいですね。ここに参加する以上は、受け身じゃなく、リコーのどの部分を使えば自分たちに得になるかを貪欲に探す、ある意味でハングリー精神を持った方が参加してほしいです。
僕らはそんな皆さんを、僕らの持つリソースでしっかりとサポートしていきます。リコーとの連携はこれから本格化しますが、お互いが抱く思いの共通する部分はたくさんあると思います。ご一緒できるのは光栄ですし、楽しみにしています。




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