今年のテーマは「好奇心を持って未知の世界に冒険する」。「TRIBUS2024」統合ピッチレポート<PartⅠ>

9月20日(金)、統合型アクセラレータープログラム「TRIBUS 2024」の統合ピッチコンテストが株式会社リコー本社で開催されました。この日の統合ピッチには、社内65件の中から書類選考と7月に開催された社内ピッチを通過した10チーム、社外172件の応募の中から選考を通過した13社が登壇しました。
6期目となった今回は、変化の速い現代社会で、未知の中に広がる可能性を見抜き、新しい時代をリードする先駆者として共に挑戦し未来を作り上げていくという思いをのせた「好奇心を持って未知の世界に冒険する」というテーマのもと、各チームが練り上げてきたビジネスアイデアや、検証活動や教育期間を経て見えた課題と今後の展望について発表が行われました。
冒頭、株式会社リコー 代表取締役会長の山下良則氏は次のように開会の挨拶を行いました。
TRIBUSは2019年に始まり、6回目を迎えることになりました。当時は初めての試みだったため、プログラム運営の伴走支援会社の方に、経営会議ではないので、収支報告をすぐに求めないようにといったご指導をいただきました。どのようにお客様や社会に貢献するのか、挑戦者の熱意など、そういった想いのようなものを評価することが重要であると教えられ、それがずいぶん前のことのように感じられます。
この5年間、挑戦者本人やそのチームメンバーだけでなく、挑戦を後押ししてくれる職場の仲間たちが、特に上司の協力を得て、さらにはチーム全体で工夫を重ね、時間を作り出しながら進めてきたことで、このプログラムは大きく進化してきたと感じています。このTRIBUSというプログラム自体がまるで生き物のようであり、皆さんとともに成長していく、そういうプログラムだと思っています。さらに、会社の中で一つの独特な文化や風土としても、進化を遂げてきたと思っています。
今回社外審査員を務めたのは、別所隆之氏(SBIインベストメント株式会社 執行役員 CVC事業部長)、高塚清佳氏(インパクト・キャピタル株式会社 代表取締役)、岡洋氏(Spiral Innovation Partners 株式会社 ジェネラルパートナー)、萩谷聡氏(株式会社ANOBAKA パートナー)、土井雄介氏(株式会社ユニッジCo-CEO)の5名。社内審査員は、山下良則氏、笠井 徹氏(リコージャパン株式会社 代表取締役 社長執行役員 CEO)、野水泰之氏(株式会社リコー CTO)の3名が務めました。

統合ピッチを通過したチームは、TRIBUS2024アクセラレータープログラムに採択となり、約4か月のプログラム期間を経て、2025年2月7日(金)に開催される最終ピッチInvestors Dayへと進むこととなります。レポート<Part1>では、今回登壇した社内起業家10チームのピッチ内容をご紹介します。
社内チーム紹介
※以下、事業概要/所属/代表者名の順
1.「「“聴く”歓び」を「“はたらく”歓び」に」
リコージャパン株式会社 松山良幸

松山氏のチームが目指すのは、日本を傾聴力によってはたらく歓びで満たし、1on1ミーティングを進化させる「傾聴による伴走サポート」を提供することです。
その原体験は、入社3年目の女性社員が「はたらく歓びを感じたことがない」と語った言葉だそうです。愛するリコーのために、リコーではたらく歓びを最大化しようという意気込みから、松山氏は2年前に「LCA※1」の中でチームを立ち上げ、活動を続けてきました。※1 LCA=Lively Challenge Activityという社員発の自主的な活動
現在は、社外の大企業の事業部や関連会社、さらに2代目、3代目社長の中小企業をターゲットに事業の検証を進めています。1on1、エンゲージメントサーベイ、キャリア面談などを行っているものの、離職が絶えず、何かがうまくいっていないという課題を抱える数十社にインタビューを行った結果、「エンゲージメントが上がらない」「人が辞めていく」という、非常に属人的な要因でエンゲージメントが向上しない状況があることがわかりました。松山氏は、この解決策として以下の提案をしています。
まず、初回に属人的な問題をサーベイで見つけ出し、そこに対して傾聴を行うことです。
その提案の結果、数社でPoC(概念実証)に進めることになりました。提案を受け入れてもらえた理由を松山氏が尋ねたところ、離職という「時間とお金をかけても解決できない問題」に対して実効性のあるアプローチをしてくれるためだ、との回答を得たそうです。
最後に松山氏は、今後の課題としてベンダーや社内との連携、仕組み化、リードの獲得を挙げ、日本を傾聴力によってはたらく歓びで満たしたいと語り、応援を呼びかけました。
2.プチエスコ事業プロジェクト
リコージャパン株式会社 大城佑生

大城氏は既存事業をさらに拡大すべく、新規事業へのチャレンジとして中小企業に省エネ投資を踏み出してもらうための伴走支援を提案しました。
きっかけとして大城氏は自身が省エネ商材の一つであるEMSの営業担当をしている際に、投資回収2年など非常に好条件なのにもかかわらず導入されないケースがあったことを挙げ、その中で原因の究明を進めていたところだったと語りました。
ヒアリングを進めていく中で、中小企業の多くが経費削減を進めたいという意思がありながらもいくつかの要因で進まないことを知ったとのこと。一つは初期投資へのヒト・知識・金銭などの導入負担、もう一つは、省エネ投資の原資回収に対するリスク、これらの原因でなかなか決裁が得られないという話だったそうです。
これらの知識不足や資金調達に関する問題を解決するため、大城氏は今回の提案の中で、初期投資の負担と効果保証をセットにした、いわゆるエスコ契約を中小企業に新たに提供できればという考えを示しました。また、現在、本格検討が2社、提案の合意が1社取れており、事業化が決定次第、検証に進む段階まできていると語りました。
今後の計画として大城氏は、まずはペーパープロトタイプでニーズの精度を高めていきたいと考え、なおかつ解決策の実現方法に関しては、リスク管理などをさらに詳しく詰められたらと語りました。商品化後の利用希望者については、仮申し込みなどを検討中であり、同時並行で顧客の獲得も模索していければと思っていると締めくくりました。
3.繊細な方への“はたらくに歓びを”
株式会社リコー 若林留功

若林氏が提案するのは、音や光、匂いといった感覚に過敏であったり、人間関係に敏感な方々を「繊細な方」と定義し、そのような方々が働きやすい環境を提供するサービスです。
サービス開発のために、若林氏はまず職場環境に注目しました。調査の結果、職場には様々な音、光、匂いが存在し、繊細な方はその中で集中力が低下し、パフォーマンスが悪化し、更に一部の方はストレスが蓄積されていることがわかったそうです。現状では各自が職場からの避難やイヤフォン等の軽減策を取るしか解決手段がないことが明らかになりました。
さらに調査を進めると、「ニューロダイバーシティ」という概念にたどり着いた若林氏は、ニューロダイバーシティに取り組む4社にヒアリングを行い、共通して「教育や環境整備は行っているものの、浸透が進まない」「職場ごとにダイバーシティが異なり自分事としての職場環境づくりが難しい」という回答を得ました。
「繊細な方がはたらく歓びを感じられる環境を提供する」ために、若林氏は各職場のダイバーシティ状況を個別に可視化と、各職場の状況に応じたアドバイスや解決策を提供できるソリューションを提案しました。
倫理面で適切な情報処理が求められるサービスになるものの、チームごとのデータにすることで組織の方はこの情報を匿名で可視化することで類似サービスとの差別化を行う考えです。
今後の展開について、若林氏は社内の倫理審査委員会と外部専門家の意見を通じて準備を進めていく考えを示し、このソリューションで繊細な方々の職場での苦労を軽減し、はたらく歓びをさらに感じてもらえるよう、このサービスの開発をぜひ継続させたいと締めくくりました。
4.義歯と、それが欲しい歯科医を適正条件でマッチング
株式会社リコー 瀧居真梨子

瀧居氏が立ち上げを目指しているのは、義歯とそれを必要とする歯科医を適正な条件でマッチングするプラットフォームです。
現在、歯科技工物を作る歯科技工士は、低賃金かつ長時間労働に従事しており、歯科技工士の数は減少している状況です。この現状を改善し、適正な条件で取引できる仕組みを作るために、今回のサービスを考案しました。
瀧居氏は、お父様が歯科技工所を経営しており、その悩みをきっかけに応募を決めたそうです。統合ピッチに至るまで、ビジネスモデルを見直し、歯科技工士から料金を取る形を改め、歯科医師の困りごとを解決し、技工士にもメリットがあるビジネスを展開することが重要だと考えるようになりました。
歯科医と歯科技工士の出会いは、知人からの紹介や、学会などといった限定的な場所でしかないことを瀧居氏は調査から発見しました。ハイクオリティーな義歯によって付加価値を高めたい歯科医師と、ハイクオリティーな義歯を提供可能であると考えている歯科技工士をマッチングするサービスの展開を検討しています。
時間ギリギリまで課題やサービスについて熱心に語り、瀧居氏の発表は終了しました。
5.倉庫業の未来を変える~新しい入庫管理~
株式会社PFU 富岡奈緒輝

富岡氏のチームが目指すのは、非効率な倉庫業務の改善と、現場担当者の負荷軽減を目的とした「倉庫業の未来を変える~新しい入庫管理~」の提供です。
人手不足が深刻化することが予測される倉庫業界において、反復作業を自動化し、コア業務に集中できる環境を目指したいと富岡氏は語り、倉庫の入庫作業の負担について説明しました。
入庫作業では、依頼主から納品書と納品物が届き、その整合性を確認し、突合後、自社システムに反映させるという流れになります。課題は3つあり、1つ目は納品書の様式が統一されていないこと、2つ目は手入力でシステムに反映していること、3つ目は目視による現品突合が行われている点です。現在、倉庫側では代替手段として、特定の条件を設定し荷主に協力を依頼した後、自社でRFIDやバーコードを付けて対応していますが、全ての取引先との調整が困難であることや、取り付けに手間がかかり、費用対効果が低いといった課題があります。
これらの問題を解決するため、富岡氏のチームはタブレット端末を使用し、システムと自動突合できるソリューションを提案しています。
実際に、このペーパープロトタイプを用いて10件のヒアリングを実施した結果、フィードバックは概ね好評であったとのことです。
次回の検証計画として、富岡氏のチームは協力先3社とのPoCを実施し、導入効果の検証とさらなる機能改善を図りたいと述べ、最後に顧客から「非常に興味があり、前向きに検討したい」という声を聞いたことを共有しました。挑戦を続け、サービスの実現に向けて取り組んでいくと締めくくりました。
6.上肢障害者を支援する3本指PC入力デバイス”
リコーエレメックス株式会社 芹澤隆史

芹澤氏は、上肢障害を持つ方のPC入力速度向上を目的とした「3本指PC入力デバイス」を提案しました。
芹澤氏は、上肢障害を持つ方の課題を把握するため、当事者や就労支援会社、雇用企業の採用担当者、医療リハビリ関係者を含む計29名にヒアリングを行いました。その結果、就労支援会社は重度の障害を持つ方を雇用したい一方で、採用企業は効率と業績を重視し、スキルの高い人材を採用したいと考えていますが、そのバランスがうまく取れず、現状では健常者よりもPC業務の速度が遅いものの、差が出にくいPC業務を優先的に割り当てていることが明らかになりました。また、上肢障害を持つ方々からは、PC作業以外の雑務も含めて成果主義で評価されることに辛さを感じるという課題も浮かび上がりました。
これらの課題に対して、芹澤氏は、上肢障害を持つ方が得意とするPC作業で同僚を超える成果を上げることで、問題が解決するのではないかと仮定しました。これにより、企業側が効率を度外視して割り当てていた業務が、障害を持つ方に任せた方が効率的になる可能性があります。結果として、上肢障害者の業務負荷が軽減され、評価が向上することで給与や働きがいも向上します。企業側は業績と雇用率の向上が見込め、さらに行政からの補助金を受け取ることができる利点もあります。
現状、上肢障害を持った方の入力速度はマウスとキーボードを使用する健常者に劣りますが、芹澤氏は新しいデバイスの導入で健常者を超える作業効率を実現しようとしています。このデバイスは、非接触タッチパネルに敢えて触れることで空中での指識別と近接時の微細な指動作検知を両立し、指3本でトラッキング、ブラインドフリック、各種ショートカット操作を行うことが出来ます。カナ入力の早いフリックとワンタッチでの変換、マウストキーボードの持ち替え不要により、両手でマウスとキーボードを操作した時と比較し10~15%の入力効率アップも見込んでいます。
今後は、就労支援会社の協力を得て、静電容量センサーを使用した検証を進めていくと芹澤氏は力強く語りました。
7.中小企業の終活サービス
株式会社リコー 金 碩燦

金氏のチームが目指すのは、小規模事業者が廃業する際に、これまで築き上げた経営資源が最後まで有効に活用される世の中です。
金氏の原体験は、実家の町工場が廃業したことに由来します。古い工場で、従業員が高齢化に伴い退職した後、父親が一人で続けようと考えていた矢先、突然の死に見舞われ、急遽廃業を余儀なくされたそうです。工場の設備は古く、処分にも費用がかかる一方、取引先からは仕事を続けていたこともあり、対応を求められる状況でした。馴染みの工具店などに相談し、情報整理を行いながら、取引先や同業他社と交渉を重ねて、なんとか事業を引き継ぐことができたとのことです。
この経験をもとに、金氏はこれを自社の事業として展開しようと思いつきました。
調査の結果、黒字のまま廃業する小規模事業者は年間およそ2万4000件もあり、割合としても非常に高いことが分かりました。さらに、廃業する際に約8割の経営者が誰にも相談せずに辞めてしまうという問題も浮かび上がってきました。
ヒアリングを重ねる中で、経営者側には「会社は自分の私物だ」という認識があり、相談をためらう傾向が見られました。また、支援会社があっても適切にマッチングされていないこと、取引先は突然取引が途絶えるなど、多くの課題が存在します。
これらの課題に対する仮説として、金氏のチームはリコーの顧客接点を活用し、支援業者への紹介ビジネスを提案しました。さらに、事業承継に前向きな方に対して「磨き上げサービス」を提供することで、経営資源の有効活用を目指しています。
8.自律型人材の育成に向けた伴走型、専門家による支援
株式会社PFU 池田尚弘

池田氏は、キャリアコンサルタントを活用し、個人がよりイキイキと自分らしくキャリアに向き合える環境を実現することをビジョンとし、キャリアコンサルタントと各種専門家を活用して、キャリア支援における強固なスクエアの耐震構造の実現を目指します。
41名へのヒアリングを通して見えてきたのは、キャリアに関する悩みが共通の課題であること、そしてキャリア支援を現場の管理職だけに任せるのは難しいという点でした。前回の社内ピッチで審査員からは、「外部リソースを活用する意義は何か」「サービスの効果を短期、中期、長期的にどう示すのか」「既存サービスとの差別化ポイントは何か」といった指摘を受けた池田氏は、これらの点を中心に検証と検討を進めてきました。
その検証の一環として、池田氏は自分のチームメンバー全員に対し、外部のキャリアコンサルタントを活用したセルフキャリアドックと呼ばれるキャリア支援策を実施しました。池田氏は、この実践を通して感じた価値として、外部のプロからのインプットがメンバーに確実に価値を与え、彼らが自信を持って自律的なキャリアの歩みを始めたことを挙げています。さらに、これが業績にも良い影響を与えたとのことです。
既に想定される顧客からは、サービスの検証に対して前向きな意見をいただいていることを強調し、発表を締めくくりました。
9.AI活用による高齢者包括見守りシステム
株式会社PFU 櫻井玲子

櫻井氏のチームが目指すのは、家族と離れて暮らす高齢者が体調不良に気づかれず時間が経過し、重大な事故につながることを防ぐため、AIを活用した高齢者包括見守りシステムの提供です。
櫻井氏がこのサービスを考え始めたきっかけは、遠方で一人暮らしをしている祖母が脳梗塞で2度倒れた際、たまたま近所の方が異変に気づき命を救われたという原体験にあります。ターゲット顧客へのヒアリングから、見守りが必要だと感じているものの、サービス内容を知らないなど、利用が不十分な人が72%いることが判明しました。この結果から、チームは「見守り」と「駆けつけサービス」が必要だという仮説を立てました。
さらにヒアリングを重ねる中で、見守りサービスに求められているのは、プライバシーを侵さず、誤報がなく、発信が不要であり、できる限りリアルタイム性を持ち、設置が簡単、といった要素であることがわかりました。また、駆けつけサービスにおいては、信頼できる事業者からのサービス提供が求められていることも明らかになりました。
しかし、既存の駆けつけサービス事業者に課題と提携についてヒアリングしたところ、誤報による駆けつけが大半を占めるという問題が浮き彫りになりました。既存のセンサーには誤報や実装の問題がありましたが、リコーの環境センサーはこれらの課題に対して非常に相性が良いことが判明しました。そこで、駆けつけサービスを提供する企業に対して、リコーの環境センサーとのコラボ提案を行った結果、前向きな回答を得られたそうです。
最後に櫻井氏は、「私たちは、見守る側も見守られる側も幸せになれるサービスの提供を目指します。」と力強く締めくくりました。
10.odorgraphers 官能検査のDX
株式会社リコー 氏本 勝也

今回の技術開発の要となるのは、FAIMS技術です。従来の大きな分析装置が小型化され、現場での使用が可能になりました。FAIMS技術により、さまざまな気体分子を高感度にリアルタイムでセンシングできるため、匂いや気体の情報をデジタル化し、さまざまな課題解決に役立てることを目指しています。チームはこれをミッション・ビジョンに掲げ、官能検査などのリアルタイム性を活かすユースケースを探ってきました。
官能検査の現場では、1日あたり数十人体制で数百万個を検査することがあり、1日に多大な検査コストがかかる企業も存在します。この課題に対して、チームは「機械が24時間スクリーニングを行い、問題がありそうなものだけを人が検査する」という仮説を立て、効率化を提案しました。
過去の経験から、顧客は課題に対して懐疑的でありながらも解決を強く求めていることが分かりました。ヒアリングを通じて、顧客が自費で解決したいと思うほどの重要な課題であることが確認され、実際に顧客から提供された検証サンプルや実験系を含め、既にかなりの額を負担していただいた実績があることに自信を持って語りました。さまざまな活用方法が考えられるこの技術について、氏本氏は「今後は、検証を通じて実装形態の明確化やビジネス応用をさらに進めていきたい」と締めくくりました。
結果発表
社内10チームのうち、Investors Dayに進むのは次の5チームです。
・「「“聴く”歓び」を「“はたらく”歓び」に」
・義歯と、それが欲しい歯科医を 適正条件でマッチング
・倉庫業の未来を変える~新しい入庫管理~
・AI活用による高齢者包括見守りシステム
・odorgraphers 官能検査のDX
また、配信を見たリコー社員からの投票によって決定するオーディエンス賞は、odorgraphers 官能検査のDXチームが「新規性がある部門」を、「「“聴く”歓び」を「“はたらく”歓び」に」チームが「共感した部門」を、AI活用による高齢者包括見守りシステムが「社会的意義がある部門」を受賞しました。

審査員の株式会社ユニッジCo-CEO 土井雄介氏は、今回参加した社内チームに向けて次のようにメッセージを送りました。
皆さん、本当にありがとうございました。あっという間の時間でしたが、とても楽しく過ごさせていただき、改めて皆様が素晴らしかったと感じています。一つお伝えしたいことがあります。まず、今回通過された皆様に関しては、これまでと同様に顧客に向き合うことが非常に重要でした。そして、これからもそれは最も大切なことです。しかし、次に問われるのは「本当に収益を上げられるか」、そして「この会社でそれを実現するのか」という視点です。ですので、一段高い視座を持って、しっかりと検証にコミットしていただけると良いと思います。
今回、惜しくもここで一旦ストップとなった方々へ。私自身も社内の新規事業でプレーヤーとして取り組んできましたが、今こうして皆さんに話しているのは、その後の10年間の経験を経てのことです。繰り返し取り組むことが非常に大切です。これまで何度もお伝えしてきましたが、何度も挑戦し続けることが本当に重要です。どうか、ここで終わらずに、継続して挑戦を続けていただければと思います。
審査員が最後の最後まで悩みぬいて選ばれた通過チーム。次に向けて参加者たちがどのように検証を重ねていくのか、今から期待が高まります。