VR空間を利用した遠隔現場管理システムに複数人がいつでも遠隔から同時参加できる360°ライブ映像機能を追加

鹿島建設株式会社(社長:天野 裕正)と株式会社リコー(社長:山下 良則)は、2021年5月から国土交通省北陸地方整備局発注の大河津分水路新第二床固改築Ⅰ期工事(新潟県長岡市)に「リコーバーチャルワークプレイス(以下、VWP)」を導入し、VRを活用した遠隔現場管理を行っています。このほど、遠隔臨場のさらなる高度化に向け、本システムに360°カメラ「RICOH THETA」とライブストリーミングサービス「RICOH Live Streaming API」を適用することで、VR空間内のコミュニケーションを360°ライブ映像で行える機能を追加し、複数人がいつでも遠隔から360°ライブ配信映像内に同時参加できる環境を構築しました。   360°ライブ配信映像とウェブカメラ映像を併用して、遠隔立会検査を実施   現場から映像の配信を行っている360°カメラ   本社に設置した専用ブース   背景 近年、ウェブカメラや携帯端末などを用いて、現場を遠隔から管理する取組みが活発になってきています。本工事でも、2021年5月からVWPを用いた現場の遠隔管理を実施していますが、従来のウェブカメラは画角が限定的で、遠隔からの参加者は現場全体の状況を十分に把握することが困難でした。 システムの特長 360°カメラを用いることで、これまでの限定的な画角では確認しきれない可能性のあった箇所も見落とすことなく、遠隔からの参加者それぞれが、あたかも現場にいるかのように周囲の状況を確認できるようになります。また、参加者同士は360°のライブ映像内で自由にコミュニケーションを取ることができるため、これまでより迅速な合意形成が可能となりました。 さらに、より多くの関係者が手軽に遠隔参加できるよう、PCやiPad等の端末からも、VRゴーグルを装着した参加者と同じ360°ライブ映像を見ることができるようにしました。 活用事例 360°ライブ映像配信ブースの常設 鹿島本社(東京都港区)の一角に本システムの設備一式を常設し、大河津分水路工事の360°ライブ映像配信ブースを設けました。これにより、いつでも東京から新潟県の現場に入り込み、現場の状況がリアルタイムで確認できるようになりました。今後、360°カメラの設置現場を増やすことで、本社から様々な現場の遠隔パトロールなどが実施可能になります。 遠隔検査への活用 本システムを用いた、工場の遠隔検査も実施しています。本工事で使用する鋼殻ケーソンは北九州の工場で製造されており、これまでは鋼殻ケーソンの外観検査のため、工事関係者全員が現地に赴く必要がありました。今回は、360°カメラとウェブカメラを持った社員1名が現地を訪れ、工場検査の様子を本システムでライブ配信し、その他の関係者は遠隔から検査に参加しました。遠隔検査は特段の支障なく完了し、これにより、移動時間の短縮、関係者のスケジュール調整手間の削減など、大幅な生産性の向上を実現しました。 今後の展開 遠隔パトロールや遠隔立会等、建設現場へのさらなる展開を推進するため、必要な実施手順を整備するとともに、屋外での長期使用に耐えうる設備の耐久性やシステムの操作性を改善していきます。 鹿島とリコーは、仮想空間において様々なサービスが展開されるメタバースの時代を見据え、現実空間と仮想空間が融合したバーチャルコミュニケーションによる遠隔臨場の高度化をさらに追求することで、移動時間の最小化と意思決定の高速化による生産性の高い建設現場モデルを構築していきます。 関連情報 VR空間を利用した新たな現場遠隔管理を実現(2021年6月24日プレスリリース) 関連リンク RICOH Live Streaming APIについて RICOH Live Streaming APIは、API連携により、アプリケーションやWebサービスに映像と音声のリアルタイムな双方向配信機能を簡単に埋め込むことができるサービスです。安定した接続品質に加え、4K(3840×1920)画質まで対応し、リコーの360°カメラ「RICOH THETA」との組み合わせで、360°の臨場感あるライブストリーミングも実現します。



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