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170人超のリコーグループ社員によるプログラムサポート制度。 本業と掛け持ちしながらチームを支える、サポーターズとは

リコーアクセラレータープログラム特徴のひとつは、社内でサポーター制度を設けていること。エントリーしたチームメンバー伴走し、事業に仕上げるまでとことん付き合っていくいわばメンターのような存在だが、関わり方は人それぞれで、ガッツリ関わる人もいれば、お手伝い程度の人もいる。仕事以外のスキルやリソースを投入し、ゆるく、楽しく、でも真面目にサポートしていくのがサポーターだ。 

また、サポーターも自分自身の内発的な動機に基づいて参加しているから、ひとごとではないというのも特徴のひとつ。チームメンバー同様、リコーアクセラレータープログラムを通じて自分自身の物語を紡ぎ出そうとするサポーターのお二人、総合デザインセンターUXデザイン室の藤山遼太郎さんと、CP事業本部事業戦略室の渡辺祐子さんに話を聞いた。 

これまでの新規事業開発とは一線を画す予感

――まずは率直に、最初にリコーアクセラレータープログラムについて聞いたとき、どのように思いましたか?

藤山「入社6年目になるですが、リコーはどちらかと言えばお堅い会社だと思っていたので、今世の中にはこうした取り組みも増えているし、社会的な流れかとも思いますが、まさかこんなことをやるとは、と思いました。しかし、驚きはしましたが、同時にものすごくワクワクもしました。これは面白いことになるぞ、と」 

渡辺「最初聞いたときは『またやるの?』ちょっと呆れて(笑)。というのも、私はずっと新規事業の開発に携わってきて、大企業の“新規事業開発あるある”は全部経験してきたからなんです。でも、詳しく聞いてみたら『ちょっと違うかもしれない』と感じました。例えば、『多産多死』という言葉を使って、要は失敗してもいいと言っている。外部の人たちも取り込んでいく。就業時間の20%使える今いる部署のままトライできる……。今までのリコーとは違う、新しい可能性を感じて、これは面白いことになるかもしれないと思いました」 

――今回のリコーアクセラレータープログラムでは、メインとしてプロジェクト募集がありましたが、なぜサポーターとしての参加選ばれたのでしょう

渡辺「ひとつは、新規事業の開発を経験してきた中で、自分にはできなかったことだから。社内のやる気にあふれた皆さんが新しい事業、サービスの開発に取り組もうとしている、それを純粋に応援したいと思ったからです。とともに、私が学んできた『レゴ(R)シリアスプレイ(R)』ワークショップ想像力(創造力)醸成やチームビルディング形成など、新規事業開発と相性がよい「未来創造型思考ツール」で社内で実践できるよい機会になると思ったからです。これは私自身のキャリア形成のため取り組んできたことですが、リコーの役に立つ形で実践できるのは、私にとっても学びになると思いました」 

藤山「私の場合、私のスキルを教えてほしいというニーズが高まっていたことが背景にあります。普段は総合デザインセンターのUX(ユーザーエクスペリエンス)デザイン室に所属していますが、本業とは別に、イベントグラレコ(グラフィックレコーディング)をやってほしい、スケッチ講座でスケッチを教えてほしいというような要望を受けて、私のスキルをお教えする機会が増えていたですね。それで、自分のスキルを伝えるのも結構面白いなと感じ始めていたところでした。 

そこにこのリコーアクセラレータープログラムのサポーターのお話がきです。自分がいなくても、他にできる人がいる、というのは組織としてすごく強いじゃないかと思いました。それにそのほうが面白くなりそうじゃないですか。完璧なスキルを身に着けなかったとしても、一人ひとりの引き出しが増えることは、組織にとっても大事じゃないかなって。何よりもワクワクするし、面白そうというのがありましたけど(笑)。自分自身でエントリーすることもちょっと考えましたが、本業が佳境に入っているところで、そこまでの余裕はなさそうだったので、複業的に今回はサポーターとして参加しようかなと思いました」 

やりすぎず、互いの可能性を引き出すようにサポートする

――お二人のバックグラウンドは異なりますが、それぞれサポーターとしてどのような活動をされていますか?

藤山「私は、今は参加しているチームの皆さんとプログラム用のグループチャットを通じて連絡を取り合い、アドバイスしています。一時3チームを担当したこともありましたが、フォローしきれなくなりそうだったので、1チームは辞退し、今は2チームと一緒に活動しています。 

サポーターに登録する際には、自分のできることをハッシュタグにして登録するですけど、結構みんな自由なことを登録していて、『機械学習『バイオプリンティング』から『昆虫食』『ジェルネイル』まで幅広かった(笑)。そこで私も『グラレコ』『スケッチ』といった本業のデザインに関連したスキルはもちろん、『特撮映画知識』『大相撲観戦』『ドイツ留学経験』というあまり業務と関係のないことも登録しました。思いもよらない新サービスや製品を考えているチームもあるので、今ではこういう関係のなさそうなリソースが役立っているじゃないかと感じています。 

事務局のマッチングで最初に担当したのは、医療関係の新サービス開発のチームで、プレゼン用の資料を作ってほしいという依頼でした。それで一発目は自分ですべて作ってしまったですが、作ってからちょっと違うような気がしまして。もしこのサポートを続けるなら、次も資料作ってくれ、また次も資料を……となるような気がして、これじゃあサポートというよりもただの分業体制じゃないかと。そもそも資料を使ってプレゼンするのはチームメンバーなんだから、だったら自分で作ったほうがいいに決まってる。そこで方向転換して、資料の作り方のルールやデザインの方法を一冊のガイドブックにまとめて渡して、自分たちでやってもらうようにしました。 

やってみると、皆さん結構ちゃんと作れるし、そのほうが実のあるプレゼンになるでしょう。私自身、手離れがよくなって、他のチームのサポートをする時間が取れるようになりました。 

サポーターによっては、チームにガッツリ入って一緒にやる方もいるでしょうし、私のように、外側からのサポートに徹する人もいるでしょう。登録時から、関わり方を自分で選べるというのは良いなと思います」 

渡辺「私は事務局からの依頼で、4月にチャレンジしたい人向けのワークショップを開催し、7月にはチャレンジしなかった人、来年度に向けてチャレンジしたい人向けのワークショップの企画・ファシリテーションを担当しました。自分が何をやりたいのか、できるのかを探求するワークショップです。 

レゴシリアスプレイでは、考えるのではなく、“手を使って作る”という作業を通じて、普段は意識することのない、自分の中にあるものを浮き彫りにしていきます。なたが子どものときになりたかった職業は』『3年後成長し組織に貢献する私の姿など、その場で与えられる「自分」を起点とした抽象的な問いへの答えを直感的にレゴで作っていくです。そして、それを言葉で説明してもらう。これをストーリーテリングと呼び、レゴで作る作業とストーリーテリングを繰り返すことで、自分が思いもしなかったような自分を見つけることができるようになります。とても時間のかかるワークショップですし、自分を掘り下げるのは決して楽な作業ではありません。それに、リコーの社員は『感じる』というよりは『まず考える』タイプが多いと思っていたので、本当にできるか不安もあったのですが、思いのほかすんなり入り込んで、取り組める人が多かったのが印象的でした。また他の人の話を聞くのが面白かった、という感想が多かったのもリコー社員の特長でした。今回は時間の関係でできませんでしたが、個人から個人と組織との関わり、さらに組織全体と段階を追ってテーマを深めていきます。 

こうしたワークショップで私がサポーターであることが知られて、テーマの進め方の相談をいただくこともありました。 

――サポーターとして参加し、ご自身に変わったことはありましたか?

藤山「時間の使い方がめちゃくちゃうまくなりましたね! チームのサポートに入るときには、まず思いを共有するために必ずミーティングするのですが、通常業務の合間で30分でも時間があれば、ササッとやっちゃう。それさえやっておけば、後は通話でもチャットでもスムーズです。リコーアクセラレータープログラムはスピード感が大事ですから、サポートする側もスピードが大事だと思うです。だから、以前だったら『明日にしよう』と思う仕事もササッと今仕上げてしまうというように仕事に対する意識が変わりました。また、通常業務の空き時間にうまくサポートをはめ込むですが、パズルみたいで楽しいです。それに、チームがやってる新規事業は、リコーの業務とは全然関係なくて、すごく新鮮なんですよ。医療系なんて初めて関わりましたし、キッズ関連のアイデアも今まで経験したことのない世界なんでものすごく新鮮で楽しい。なんていうか、サポーターとして関わるようになって、毎日『うん、自分よくやったな』という充実感がありますね」 

渡辺「私もレゴシリアスプレイのよさを生かしてもらえるよう、学びの連続です。ファシリテーターの問いによって答え変わりますから、「問いの立て方」はがとても大事だと感じています。そのため、アンテナを張って日々情報取集しています。また、レゴシリアスプレイは、今まであまり知られていなかったのですが、ワークショップを通じて社内でも知られるようになり、リコーアクセラレータープログラムとは関係のない部署からも『ワークショップをやってほしい』という依頼をいただくようになりました。それに、今いるCP事業本部始まった『生き生きプロジェクト』にも役立っています。これは、仕事のリソースの10%を、CP事業本部内の別の事業に振り向けてという取り組みで、そこでコーディネーターを務めているのですが、「メンバー全員を主役にしてファシリテートするというリコーアクセラレータープログラムのサポーターとしての経験が、そこでも使えていると思います

企業を、社会を変えていく大きなパワーがある

――今後リコーアクセラレータープログラムはチームが絞られ、本格的な事業化へと進んでいきます。これまでの取り組みを振り返りつつ、今後どのように発展していくと良いと考えていますか?

藤山「私は、サポートに入るに当たって3つのことに留意しています。ひとつは『短時間』であるということ。スピード感をもって臨みたいと思っています。2つ目は『自分ごとにするサポートをすること』。主役はあくまでもメンバーで、その力を十分に発揮してもらうということです。そして3つ目が、『むちゃくちゃ褒める』ということです。 

開発にかける思いやアイデアを聞いたときには、もちろん方向性についてのアドバイスはしますが、ネガティブなことは言いません。というのも、どのチームも基本的には着眼点が素晴らしいからです。今までのフィールドとは違うところで、世の中にとって良いこと、社会に役に立つことをやろうとしている。だからまずは自信を持って取り組んでほしいと思います。 

リコーアクセラレータープログラムに参加してまだ半年足らずですが、会社変えていくすごいパワーがあると思っています。本業との両立事業化承認のプロセスなど、これまで企業の体制的にネックとなっていた部分越えて大きく変わろうとしています。 

エントリーでも、サポーターというでも、新しい発見があるはずですもっと多くの人に、この動きに参加してほしいと思います」  

渡辺「私がお伝えしたいのはやはり『自分軸』を大切に、ということです。何か新しいことをやるときには、周りから何か非難の声が上がるじゃないかと不安になるものです。でもそれは気にしない。自分が何をしたいのか、やろうとしているのか、そこを何度も問いかけ、自分の軸を見失うことがなければ、きっと先につながる道が見えてきます。ただし、固執することではありません。答えが見つからないときは、課題設定がそもそも正しいのか、遡って考え直す勇気や柔軟性も必要です。 

この先、AIはじめIT技術が発達すれば、ますます『人間らしさ』とは何かが問われるようになるでしょう。私は、人間らしさとは、意思を持った創造力だと思っています。そして、本当は誰もが創造力を持っているはずなのに、多くの人がそれを発揮できない状態にいるのだと思います。リコーアクセラレータープログラムは自分のアイデアを形にする、それを人に伝えていく、そして事業化するという、創造力を磨く場だと思います。皆さんには、ぜひこのプログラムを通じて、創造力を発揮することを習慣づけてほしいと思います。それがきっと、会社、ひいては社会全体に貢献していくことにもつながっていくと思います」 

PHOTOGRAPHS BY Masanori IKEDA (YUKAI)
TEXT BY Toshiyuki TSUCHIYA

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